IPv4とIPv6の5つの違いとは?確認方法や切り替え手順もわかりやすく解説
光回線について調べていると、IPv4やIPv6といった単語をよく目にします。しかし、これらがなにを表す言葉なのか、明確に理解できていないという方も多いのではないでしょうか。
IPv4・IPv6は、ひとことでいうと「インターネットの通信規格」のことです。IPv4は従来の通信規格であるのに対し、IPv6は新しい通信規格のことをさします。
違いについては大きく以下の5つに分けられます。
- 割り当て可能なIPアドレスの数
- 接続方式
- 接続可能なサイトの種類
- 対応機器
- セキュリティの強度
しかし、利用する際には優劣をつけてどちらかに接続するのではなく、どちらも利用できる環境を整えることが大切で、両者を利用できる「IPv4 over IPv6」に接続するのがおすすめです。
この記事では、IPv4とIPv6の違いやどちらに接続されているかの確認方法、また切り替え手順を解説しています。「IPv4 over IPv6」に対応しているおすすめの光回線についても紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
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IPv4・IPv6とは「インターネットの通信規格」のこと
IPv4とIPv6は、どちらも「インターネットの通信規格」を指す言葉です。4と6の数字の違いは、第4版、第6版といったようにバージョンを表します。
そもそもIPとは「インターネット プロトコル」の略称であり、複数の端末やネットワーク間において、データをやり取りする際に用いられます。
「IPアドレス」という単語を耳にしたことがある方は多いでしょう。IPアドレスとは、ネットワークに接続する際に、スマートフォンやPCなどの接続機器に割り振られる番号で、ネットワーク上の住所のようなものです。
IPを用いたネットワークでは、IPアドレスをもとにデータを送受信しています。
なぜIPv4とIPv6の2種類があるのかというと、従来使用されてきたIPv4のアドレス数が不足してきたことが要因です。その問題を解決すべく開発されたのが、IPv6なのです。
最近では、多くの光回線がIPv6に対応してきています。
IPv4・IPv6の5つの違い
よりIPv4とIPv6について理解するために、以下の5つの違いについて見ていきましょう。
- 割り当て可能なIPアドレスの数
- 接続方式
- 接続可能なサイトの種類
- 対応機器
- セキュリティの強度
では、詳しく解説していきます。
割り当て可能なIPアドレスの数
先ほど、IPv4のアドレス数が不足してきていると解説しましたが、IPv4と IPv6は割り当て可能なアドレス数に大きな差があります。
IPv4のIPアドレスは約43億個であり、世界の総人口が80億人を超えている今、単純計算で半分ほどの人にしか割り当てられない状況です。また、昨今は1人がPC・スマートフォン・ゲーム機など複数の機器を所持していることも多く、IPv4では IPアドレスがまったく足りていません。
そこで登場した IPv6は、約340澗(かん)個の IPアドレスを割り当てられます。「澗(かん)」という単位にピンとこない方もいるかもしれませんが、数の単位は億から見ると、「億→兆→京→垓→𥝱→穣→溝→澗」となり、澗は億よりも7つ上の単位なのです。
そのため、 IPv6は IPv4と比較し、途方もないほど多くの IPアドレスを割り当てられるため、実質的に無限といえます。
接続方式
IPv4とIPv6は接続方式も以下のように異なります。
IPv4 | PPPoE |
---|---|
IPv6 | PPPoE・IPoE |
このように、IPv4はPPPoEのみなのに対して、IPv6はPPPoEだけでなくIPoEも扱えます。
PPPoEとIPoEの違いは、以下のとおりです。
PPPoE | ・「Point-to-Point Protocol over Ethernet」の略 ・インターネットに接続する際、ユーザーIDとパスワードを入力して事業者の提供する通信設備(インフラ)に接続する ・インターネット接続時にネットワーク終端装置を経由することから「トンネル方式」とも呼ばれる ・通信速度が最大1Gbpsであり、時間帯により混雑の影響がある |
---|---|
IPoE | ・「IP over Ethernet」の略 ・企業内のLANなどと同じ通信規格「イーサネット」で、直接的にインターネットに接続する方式であることから「ネイティブ方式」とも呼ばれる ・PPPoEのように専用の通信機器を必要としない ・大容量通信が可能なゲートウェイルーターを通り直接的にインターネットへ接続するため、最大通信速度は10Gbpsであり、混雑の影響を受けない |
簡単にまとめると、PPPoEはネットワーク終端装置を経由することで、混雑状況によっては速度が低下することがありますが、IPoEは直接的にインターネットへ接続するため、混雑の影響を受けない安定した通信が可能だという事です。
つまり、IPv4が扱えるのはPPPoEのみであるため、通信速度が不安定になったり遅くなったりする可能性があります。IPv6はどちらも扱えるだけでなく、IPoEの最大通信速度が10Gbpsであるため、IPv4よりも通信速度が速いのです。
接続可能なサイトの種類
IPv6の方がIPv4よりも通信速度が速いと解説しましたが、それぞれ接続可能なサイトの種類が異なるため、IPv6だけではすべてのサイトを閲覧できません。
IPv6は広がってきているとはいえ、まだIPv4を使用しているサイトがほとんどです。しかし、今後はIPv6に対応するサイトが増えていくと予想されます。
つまりどういうことかというと、IPv6とIPv4のどちらか一方だけでは閲覧できないサイトが発生するため、どちらもなければならないということです。
問題を解決すべく登場したのが、「IPv4 over IPv6」という技術です。「IPv4 over IPv6」については、後述の「光回線は「IPv4 over IPv6」に対応しているかで選ぶことが重要」で詳しく解説しています。
対応機器
IPv4とIPv6はそれぞれ通信規格が異なるため、IPv6を使う場合はIPv6対応の機器を用意しなければなりません。IPv6への切り替えをおこなう場合、使用中のルーターなどがIPv6に対応しているか確認しておくことが大切です。
PCやスマートフォンは、OSを最新バージョンに更新できていれば、特に買い替えなどの必要はなく、IPv6を利用できます。
また、ゲーム機の場合はPS5やXbox OneはIPv6にも対応していますが、Nintendo SwitchやPS4は非対応です。
セキュリティの強度
セキュリティの強度も、IPv6の方がIPv4よりも優れています。
IPv4には「IPsec(アイピーセック)」というセキュリティ機能があります。しかし、その機能はオプション扱いとされており、あまり使用されることがなかったため、これまではデータを送る側と受け取る側の双方で別のセキュリティ機能を用意する必要がありました。
対して、IPv6はIPsecが標準的に用意されており、指定した相手以外には送信したデータの中身が見られないようになっています。
IPv6に接続されているかを確認する2つの方法
自身のPCやスマートフォンなどがIPv6に接続されているかを確認する方法は、以下の2つです。
- スピードテストを実施する
- インターネット接続した機器の設定から確認する
では、方法について詳しく解説します。
スピードテストを実施する
まず、インターネット検索が利用できるスマートフォンやPCなどの機器なら、スピードテスト(回線速度の計測)で確認できます。
ただし、スピードテストによってはIPv4とIPv6が区別されずに結果が表示されるものもあるため、「みんそく」から計測することをおすすめします。
以下は、「みんそく」の通信速度測定を実際におこなった結果です。
種類 | IPv4接続 | IPv6接続 |
---|---|---|
接続方法 | IPoE+IPv4 over IPv6(v6プラス) | IPoE(v6プラス) |
Jitter | 5.37ms | 1.6ms |
Ping | 9.2ms | 8.9ms |
下り | 159.32Mbps(かなり速い) | 159.16Mbps(かなり速い) |
上り | 151.49Mbps(かなり速い) | 185.84Mbps(かなり速い) |
引用:みんそく
このように、接続方式が表示されるため、現在なにに接続されているかが判断できます。
インターネット接続した機器の設定から確認する
インターネット接続している機器の設定画面からも、IPv6に接続されているか確認できます。
たとえば、Windows11なら以下の手順で確認します。
- Windowsマークを右クリックし、「設定」をクリック
- 「ネットワークとインターネット」を選択
- 「ネットワークの詳細設定」をクリック
- 「ハードウェアと接続のプロパティ」をクリック
プロパティの情報にIPv6アドレスの項目が表示されていれば、IPv6に接続されています。
このように、設定内のネットワークやWi-Fiの情報の中に、IPv6アドレスの項目があるかどうかで判断することが可能です。
IPv4からIPv6に切り替える手順
IPv4からIPv6に切り替える手順は、以下のとおりです。
- IPv4からIPv6への切り替えを申し込む
- IPv6対応のルーターを用意する
- 機器から設定を変更する
これらの手順は不要な場合もあるため、まずはIPv6が使える状況かを確認してから必要であれば切り替えをおこないましょう。
では、手順について解説していきます。
1.IPv4からIPv6への切り替えを申し込む
まず、回線やプロバイダがIPv6に対応しているか確認してみましょう。公式サイトから確認するか、問い合わせをしてみてください。
切り替えに申し込みが必要な場合と不要な場合があるため、必要であれば申し込みましょう。
2.IPv6対応のルーターを用意する
前述したように、IPv6を利用するには、対応しているルーターが必要です。プロバイダによっては切り替え申し込みの際、対応ルーターをレンタルできる場合もあります。
レンタルがなければ、自分で購入してください。
3.機器から設定を変更する
機器からの設定は不要なケースが多いですが、もしプロバイダから手動で設定をおこなうように言われた場合は、設定の変更をおこないましょう。
たとえば、Windows11の場合は以下のように設定します。
- 「コントロールパネル」を開く
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- 「ネットワークの状態とタスクの表示」をクリック
- 「アダプターの設定の変更」を選択
- 「イーサネット」のアイコンを右クリックして「プロパティ(R)」を選択
- 「ネットワーク」タブの「インターネットプロトコルバージョン6(TCP/IPv6)」にチェックを付けて「プロパティ(R)」をクリック
- 「IPv6アドレスを自動的に取得する(O)」と「DNS サーバーのアドレスを自動的に取得する(B)」にチェックを付けて「OK」をクリック
これで、IPv6が利用できるようになります。
光回線は「IPv4 over IPv6」に対応しているかで選ぶことが重要
IPv6はIPアドレス数が実質無限であり通信速度も速いため、IPv4よりも優れているように思えます。しかし前述したように、IPv6に対応していないサイトも多いのが現状です。
そのため、どちらの方が優れているという事が重要なのではなく、どちらも利用できる環境を整えることが大切です。
そこで注目すべきなのが「IPv4 over IPv6」という通信技術です。
IPv4 over IPv6を利用すると、IPv6のパケットがIPv4へと変換されるため、IPv4対応サイトにもアクセスが可能になります。
またIPv4はIPv6で包んで送信するため、IPoEに対応しておりIPv4に比べて通信も高速になります。
ただし、IPv4 over IPv6は現状では一部のプロバイダのみが提供している状態です。また、ルーターなどの機器も、IPv4 over IPv6対応のものを選ぶ必要があります。
もし、これから光回線を契約したい、乗り換えたいと考えているのであれば、IPv4 over IPv6を採用しているところを選ぶのがおすすめです。サービスの名称は「v6プラス」と表記される場合があります。
「IPv4 over IPv6」対応の光回線ならNURO光がおすすめ
現在NURO光では、単一の機器にIPv4とIPv6を共存させる「デュアルスタックス方式」から、「IPv4 over IPv6」で接続する「MAP-E方式」へとシフトを進めています。
まだIPv4 over IPv6に対応している光回線は少ないため、これから光回線の契約や乗り換えを検討している場合は、NURO光がおすすめです。
IPv6はIPv4よりも高速であると解説しましたが、そもそもNURO光そのものが安定した高速通信が可能な光回線であるため、v6プラスオプションを提供している光回線を選ぶよりも、IPv4 over IPv6へとシフトを進めているNURO光の方が快適なインターネット環境を整えられるからです。
実際にv6プラスを提供している光回線とNURO光の実測値平均を比べてみましょう。
NURO光 | ダウンロード速度:649.3Mbps アップロード速度:632.58Mbps |
---|---|
enひかり | ダウンロード速度:372.35Mbps アップロード速度:474.17Mbps |
おてがる光 | ダウンロード速度:272.62Mbps アップロード速度:300.16Mbps |
ビッグローブ光 | ダウンロード速度:249.25Mbps アップロード速度:280.77Mbps |
USEN光 | ダウンロード速度:270.57Mbps アップロード速度:313.74Mbps |
参照:みんそく
※2024年6月時点
このように、現在v6プラスを提供している光回線よりも、NURO光の実測値平均の方が速いという結果が出ています。
そのため、安定した高速な通信環境を整えたいのであれば、NURO光を検討しましょう。
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※本キャンペーンは予告なく終了する可能性がございますので、ご了承ください。
まとめ
この記事では、IPv4とIPv6の違いについて解説しました。最後にまとめをご覧ください。
- 「インターネットの通信規格」を指す言葉
- 数字はバージョンを表す
- 割り当て可能なIPアドレスの数
- 接続方式
- 接続可能なサイトの種類
- 対応機器
- セキュリティの強度
- IPv4とIPv6がどちらも利用できる通信技術
- IPv4よりも速度が速い
NURO光は、2024年6月時点では完全にIPv4 over IPv6に対応しているわけではありません。しかし、。すでにv6プラスを提供している光回線よりも高速であり、これから徐々にIPv4 over IPv6へとシフトしていくことを考えると、NURO光がもっともおすすめの光回線といえるでしょう。
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