【プロが解説】エアコンスリーブの役割とは?適切な工事方法や費用を紹介
エアコンの配管部分によく見かける筒状の器具「スリーブ」ですが、その用途に疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
エアコンのスリーブは配管を設置する際になくてはならない存在であり、快適な暮らしを支える重要な役割を持っています。
本記事では、スリーブの役割や最適な取り付け方法を解説します。新たにエアコンの購入を考えている方や、これからエアコンを設置する予定の方はぜひ参考にしてください。
エアコンスリーブはいつ取り付ける?
出典:モノタロウ
エアコンスリーブは、エアコン配管そのものや、配線のために開けられた壁の穴を保護するために取り付ける筒状の器具です。
スリーブを取り付ける前にはまず穴あけ工事をします。穴をあけたそのままでは隙間から壁内の断熱材や柱がむき出しになってしまうため、壁内部を保護する目的でスリーブを穴に設置します。
スリーブはなくても大丈夫?
スリーブは開けた穴と壁の隙間をできるだけ少なくする役割を持つ重要な部材です。
スリーブを取り付けることで冷暖房による結露を防いだり、小動物や虫の侵入を阻んだり、隙間風を予防したりなど、ただの筒に見えて実はエアコンを効率よく稼働させるために重要なパーツなのです。
穴あけ工事の前に確認したいポイント
スムーズに穴あけ・スリーブ設置、ひいてはエアコンを設置するために、工事前に確認したいポイントが2つあります。
- エアコンを設置する場所が適切か
- 賃貸の場合、大家さんの許可はあるか
いざ穴をあけようとしたら不適切な場所と発覚してやり直し...となる場合もあるため参考にしてください。
エアコンを設置する場所が適切か
穴あけ工事をする場合、エアコンを設置する位置に気をつける必要があります。
穴あけは壁の下地の状況を把握することが重要です。適当に開けてしまうと桟を切ってしまったり、筋交いに当たったりしてしまうからです。一度傷をつけてしまったら元には戻らないため、工事をしても支障がないことを確認してから、設置場所を確認するのが良いでしょう。
適切な位置で穴あけ工事ができれば、スリーブ設置もスムーズにできます。
賃貸の場合、大家さんの許可はあるか
賃貸で穴あけ工事をするには、原則として大家さんの許可が必要です。
賃貸は基本的に退去時の原状回復が入居条件とされています。壁に穴を開けることは、修繕費用の対象となるかもしれません。退去時に思いがけない額の修繕費用を請求されてしまうことがないよう、気をつけたいところです。また、大家さんの許可なしで穴あけ工事をすると「勝手に大きな傷をつけられた」とトラブルに発展する可能性もあるでしょう。
賃貸で許される「通常の使用範囲」は、人によって解釈が大きく変わる場合があります。予め確認しておくことがおすすめです。
穴あけ工事については別記事「エアコン穴あけ工事の費用は?失敗しない業者の選び方を解説」でも詳しく取り扱っているので参考にしてください。
穴あけからスリーブ取り付けまでの手順
穴あけ工事からスリーブの取り付け完了までは以下の手順に沿って進行されます。
- 貫通できる壁の位置を調査する
- 穴を開けて外壁まで貫通させる
- スリーブを差し込みコーキングする
- パテで隙間を埋める
- 化粧カバーで覆う
それぞれどのような内容の工程なのか、詳しく解説します。
1.貫通できる壁の位置を調査する
穴あけ工事の前に、まず貫通できる壁の位置を調査します。
壁内にある柱や筋交いなどは、穴あけの進行において邪魔な存在です。1度開けた穴を塞ぐことは厳しいため、穴あけを阻むものがないか確認することが重要な工程になります。
調査の際は主に建築時の図面や写真を参考にします。センサーなどを用いて何もない壁の位置を探すこともあります。
2.穴を開けて外壁まで貫通させる
貫通できる位置が決まったら、穴を開ける工程に進みます。
壁の材質によって貫通させるドリルの種類が異なるため、調査の段階でどのような素材が使われているのか調べておきます。業者によっては使用不可能なドリルもあるため、予め確認しておくといいでしょう。
表面の壁を開け、貫通できると再確認できたら外壁まで一気に穴を開けます。
3.スリーブを差し込みコーキングする
穴あけ後は壁内部の安定や保護のためにスリーブを差し込みます。しかし、スリーブだけでは雨風や虫の侵入を完全には防げないため、スリーブ内部と口の周りにコーキング材を注入して気密性を高めます。
外壁の素材によっては、穴あけの段階で壁が崩れ始めたり、劣化したりすることがあります。見えない部分ではありますが、コーキングによる保護をしっかり行ってくれる業者選びが大切です。
4.パテで隙間を埋める
スリーブに配管を通したら、さらに隙間を埋めるためにパテを盛ります。こちらも施工後には見えなくなってしまう部分です。低価格の業者などは使い回したパテを使用することもあり、劣化が早まります。
新品のパテでしっかりと隙間を埋めれば、エアコンを効率よく稼働させられるだけでなく配管や壁の劣化も防げます。見えない部分における作業の質こそ重要です。
5.化粧カバーで覆う
最後に化粧カバーを取り付けます。コーキング作業、パテ盛りをした上で化粧カバーを取り付ければ、壁の防水機能は保たれます。化粧カバーをつけることで配管も長持ちしやすくなります。
しかし、化粧カバーで隠されれば内部の劣化状況がわかりづらくもなります。年数が経過したら気にかけるようにしましょう。
穴あけ工事とエアコンスリーブ設置は自分でできる?業者と費用を比較
「エアコンスリーブくらいは自分でできそう」と考え、挑戦したくなる方もいるでしょう。自分でDIYする場合と業者に依頼する場合では、費用面がどの程度変わるのか解説します。
自分でDIYする場合
エアコンスリーブの設置を自分でやるには、まず道具から揃える必要があります。全て購入することを前提で考えると、自分でDIYする場合の費用は2〜6万円と考えていいでしょう。
穴あけ工事に必要なコアドリルは非常に高価です。安いものでも15,000円を超えます。穴あけの大きさによってドリルを変える必要があり、さらに壁の材質によっては専用のドリルも追加しなければなりません。さらにスリーブやコーキング材、パテ、化粧カバーなど細々したものが5,000円程度かかります。
しかし、安いものばかり揃えても劣化の早さやクオリティに不安が募ります。長持ちさせることを考えれば、DIYに必要な費用は最大10万円ととらえていいかもしれません。
スリーブを取り付けるには高額な費用がかかり、さらには電源やガスの扱いで危険を伴うこともあります。自分でできないわけではありませんが、業者への依頼をおすすめします。
業者に依頼する場合
ライフテックスでは、穴あけ工事と貫通スリーブがオプションで1ヶ所3,000円〜承っています。室外化粧カバーの取り付けも2,500円〜からできます。
スリーブの取り付けで考えられるオプションを全て付けたとしても、業者に依頼すれば1万円もかからずに完了できるでしょう。
自分でDIYする場合 | 2〜6万円 |
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業者に依頼する場合 | 2,000~25,000円 |
化粧カバーの取り付けまで完了すれば、エアコンや配管を変える時期が来ない限り工事の機会はありません。化粧カバーの取り外しにも料金がかかるため、長持ちさせられる手段を選ぶことが重要です。
そのため、スリーブの取り付けは安心して任せられるエアコン取付専門業者に依頼することをおすすめします。
穴あけ工事とエアコンスリーブ設置の依頼はエアコン取付専門業者がおすすめ
前述したように、スリーブの取り付けを自分でやろうとすれば高額な費用がかかるだけでなく危険も伴います。最大限エアコンを効率よく稼働させるためにも、配管の劣化を食い止めるスリーブの取り付けに高いクオリティが求められるでしょう。
エアコン取付専門業者であれば、技術力もノウハウもあり、仲介料が含まれないため、安く工事ができます。1番コスパがいい方法だといえるでしょう。長持ちするエアコンスリーブの取り付けを求めるかたや、大切な家を綺麗に保ちたいかたはエアコン取付専門業者へ直接依頼してみてください。
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まとめ
エアコンスリーブの取り付けは先行でも後付でも可能であるものの、後付では隙間ができやすくなります。
雨風や虫の侵入、配管の劣化などを防ぐためには丁寧な隙間埋め作業が必須です。大切な家を綺麗に保つためにも、適切な取り付け方法を選びましょう。
コーキングやパテの盛り方に無駄がない施工を求めるかたは、ぜひエアコン取付専門業者に直接依頼してみてください。
よくある質問
エアコンの貫通スリーブは自分で取り付けられる?
スリーブを取り付けるには高額な費用がかかり、電源やガスの扱いで危険を伴うこともあります。自分でできないわけではありませんが、業者への依頼をおすすめします。 エアコン工事専門業者のライフテックスでは、スリーブの取り付けはもちろん、穴あけ工事では壁内の構造を機械で調査して、穴をあけてもいい場所か適切に判断し、設置場所をアドバイス致します! 詳しくは「ライフテックスのエアコン工事ページ」をご覧ください。 |
なぜスリーブをつけなきゃいけないのですか?
スリーブを取り付けることで冷暖房による結露を防ぎ、小動物や虫の侵入を阻みます。隙間風の予防にもなり、エアコンを効率よく稼働させられます。 スリーブが必要な理由については「スリーブはなくても大丈夫?」をご覧ください。 |
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