6畳用エアコンはリビングでも使える？「◎◎畳用」に頼らないエアコン選び

エアコンのカタログを見ると、詳細な付加機能や畳数表示などが所狭しと書かれています。しかし、多くの皆さんが目をとめるのは「◎◎畳用」の記載だけではないでしょうか？

実はこの基準ははるか昔に定められた、今の住宅環境とはかけ離れた基準なのです。

そのため、家の性能や住環境によっては6畳用エアコンでリビングを空調することも不可能ではありません。

この記事を読めば

などについて知ることができます。

エアコン販売店の接客トークに惑わされることなく、ご自宅にピッタリなエアコンが分かるようになるでしょう。

6畳用エアコンは何畳までカバーできる？

家電量販店にエアコンを探しに行くと、店員さんは「お部屋の広さは何畳ですか？」と聞いてきますね。

「8畳のリビングです。」と答えるとかなりの可能性で「ではこちらの8畳用のエアコン、もしくは余裕をもって10畳用がおすすめです！」と自信満々の答えがかえってきます。

確かに店員さんだけではなく多くの人が「◎◎畳用」だけを確認してエアコンを決めています。でももしかしたらおすすめされたエアコンは必要なく、初期費用が無駄にかさんでいるかもしれません。

それでは「◎◎畳用」の成り立ちから見ていきましょう。

エアコンの「◎◎畳用」表記は60年前の基準

明確にしました。エアコンのカタログの何畳用という数字は1960年代の基準で計算されています。６畳用とカタログに出ているエアコンでも、最近の高気密高断熱住宅ならば２０畳から３０畳の部屋で使えます。カタログ値で選ぶとエアコンはオーバースペックになり、エアコン価格と電気代が無駄になります。 https://t.co/sFCVCROHlb

— 河野太郎 (@konotarogomame) March 29, 2022

河野太郎さんが2022年にツイートしたポストです。

「◎◎畳用」という表記は1964年に「木造無断熱平屋住宅」を基準として制定されました。2024年の現在に至るまで60年もの間、まったく変更されていません。

現在、断熱材を入れていない家はほとんどありません。「◎◎畳用」という表記が時代にそぐわないものであることがうかがえます。

ではツイートにあるように「6畳用のエアコンを20畳から30畳の部屋で使用すること」は可能なのでしょうか？

高気密・高断熱の家なら6畳用で対応できる可能性も

ZEH住宅に代表される高断熱・高気密の家は室内の温度を一定に保ち、一年中快適に生活することができます。

そのため、エアコンのパワーだけに依存する必要がないのです。

ただ、「6畳用のエアコンを20畳から30畳の部屋で使用すること」に関してはおすすめできません。部屋が壁やドアで仕切られておらず、暖房用なら一階、冷房用なら家の一番高いところについているなら可能性があります。

現実的にはワンフロアをまかなう程度が妥当といえるでしょう。

ただし、高気密・高断熱住宅にエアコンを後付けする際には注意が必要です。高気密・高断熱住宅にエアコンを後付けする場合はエアコン専門業者に依頼を

高気密・高断熱住宅にエアコンを後付けする際に最も重要なことは、気密性を損なわないようにエアコンを取り付けることです。

ただ穴を開けて室内機と室外機を繋ぐだけでは気密性が担保できません。気密性を保つために専門的な知識と技術があるエアコンの専門業者に依頼しましょう。

下記の記事では高気密・高断熱の住宅でエアコン工事をおこなう際の注意点について詳しく解説しています。高気密・高断熱住宅でのエアコン工事をご検討中の方は、併せてご覧ください。

高気密高断熱住宅はエアコン選びが重要｜取り付け手順・効率的な使い方を解説

通常の住宅のリビングで6畳用エアコンを使える広さは

結論として、高気密・高断熱の住宅ではない普通の住宅の場合、エアコンの性能上、通常の住宅で6畳用エアコンを使える可能性がある広さは10畳未満のお部屋です。

リビングの場合

こういった環境であれば6畳用エアコンで対応できる可能性が高くなります。

ここからはその理由について詳しく解説していきます。

実は、各エアコンメーカーのカタログにそのヒントが隠されています。

エアコンカタログの能力値について確認しよう！

画像引用：日立グローバルライフソリューションズ住宅設備用カタログ 2023-10

画像は日立のコンパクトエアコン「AJシリーズ」のカタログです。

やはりパッと目に飛び込んでくるのは6や8、14などの畳数ですね。

しかし、前述したとおり畳数だけではお部屋に最適なエアコンは選ぶことができません。

ここからはエアコン選びの決め手になる「定格能力値」や「最大能力値」について解説していきます。

エアコンの「定格能力値」とは？

画像引用：日立グローバルライフソリューションズ住宅設備用カタログ 2023-10

エアコンの「最大能力値」とは？

画像引用：日立グローバルライフソリューションズ住宅設備用カタログ 2023-10

では同じシリーズの6畳用と8畳用ではどれだけの差があるのでしょうか？

定格能力値と最大能力値を比較してみましょう。

暖房には最大能力値がおおむね3段階しかない

画像引用：日立グローバルライフソリューションズ住宅設備用カタログ 2023-10

定格能力値には大きな差があることが分かります。8畳用は6畳用の1.3倍近い数値です。

しかし最大能力値にはほとんど差がないことが分かります。8畳用は6畳用の1.05倍程度。わずか0.2kWの差です。

エアコンは自動運転の場合、設定温度まで一気に室温を近づけたら、その後は微弱運転や送風で室温を保ってくれます。つまり、最大能力値が高ければ室温を素早く上昇させることができるのです。

数値に大差がない6畳用と8畳用のどちらを選択するかは明確です。消費電力が低く、エアコンの本体価格が安い6畳用ですね。

6畳用と8畳用と同じように、最大能力値は若干の違いはあるものの

3段階に大別されます。

つまり暖房を基準に考えると購入するべきエアコンは6畳用・10畳用・14畳用の3択であることが分かります。多少の差はありますが、各エアコンメーカーに同様の傾向がみられます。

冷房の最大能力値は定格能力値に応じて上昇する

ただし、冷房は暖房と違って定格能力値に準じて最大能力値も上昇します。過剰に冷えすぎることを防ぐためにリミッターがかかるからです。

しかし現在の住宅の断熱性能は60年前と比較すると圧倒的に高くなっているため、暖房と同じように、6畳用・10畳用・14畳用を基準に、少し小さめのエアコンを選択することがおすすめです。

最大能力値から導かれるエアコンのサイズは

ということになります。

しかし、エアコンの性能以外にも外的要因が大きく影響することを考慮する必要があります。

• 木造と鉄筋コンクリート造
• 窓の向きや大きさ
• 和室か洋室か
• 集合住宅の場合、上層階か下層階か
• 寒い地方か暑い地方か

でも「そこまで考えられない」ですよね。
そこで下記のサイトを使用すると便利です。(画像をクリックでリンク先にジャンプします）

引用元:エアコン選定支援ツール

こちらのサイトでは、お住まいの地域や部屋の向き、エアコンを使用する時間帯などを入力することによって、おすすめのエアコンのサイズを教えてくれます。

お得で安心な6畳用・10畳用・14畳用エアコンの選び方

お部屋に取り付けるエアコンの畳数が決まったらエアコンを購入して、取り付け工事をおこなう必要があります。

家電量販店やネットショッピングでエアコンを購入すると、取り付け工事までワンストップで完結できることが多いため、大変便利です。しかし、家電量販店やネットショッピングから取り付け工事まで依頼することはあまりおすすめできません。

その理由は、下請け業者が取り付け工事をおこなうため、誰が来るか分からないからです。エアコンの取り付け工事には専門的な知識や取り付け技術が必要です。しかしごく一握りの業者ですが、工事の質が低かったり、販売店の説明と食い違った内容であったり、トラブルがあった時に業者と連絡が取れなかったりと、トラブルに繋がるケースも少なくありません。

エアコン取り付け業者を選ぶ際に、最も安全と言えるのがエアコンの販売も行う「エアコン工事専門業者」です。専門業者であるため取り付け工事の施工実績が多く、難しい工事にも対応できる技術力があります。記事で度々登場した「高気密・高断熱住宅」での工事や、「隠ぺい配管」のエアコン工事にも対応可能です。

また、エアコンの販売に関しても大量に仕入れたり中間マージンを削減するなどして安価に抑えられていることも多く、エアコンの購入から取り付けまで一貫してサポートしてくれます。

関東のエアコン販売と取り付け工事ならライフテックス

ライフテックスでは、エアコンと工事のセットが激安価格で買える期間限定の特大キャンペーンを実施中です。引っ越しでエアコンの買い替えを検討している場合、お得にエアコンを購入・取り付けられます。当社が厳選した2022・2023年モデルのエアコンを本体送料工事費込で65,780円（税込）からご用意しています。大手通販会社よりも安い価格でのご提供です。

また、引っ越し業者や家電量販店に断られやすい隠蔽配管工事や高気密高断熱住宅へのエアコン設置も承ることが可能です。エアコンの設置をご検討中の方は、ぜひ一度当社にご相談ください。

まとめ

エアコンのサイズを検討する場合、以下の基準を参考にするとよいでしょう。

しかし、実際にエアコンを選ぶ場合には、エアコンの性能以外に住宅の種類や窓の向き、寒い地域か暖かい地域かなど、外的要因も考慮する必要があります。

エアコンは住宅や環境に合わせて適切なものを選びましょう。