エアコンのコンクリートコア抜き工事とは?費用・手順やDIYできるかを徹底解説
「エアコン設置について調べていたらコア抜き工事が必要そうだけど、どんな工事?」
「コア抜き工事をしたいけど、工具さえあれば自分でできる?」
コア抜き工事とは、コンクリートに筒状の穴をあける工事です。専用の工具が必要で、一見簡単そうに見えますが、知識がなくては失敗してしまいます。
まずは手順や注意点をしっかりと理解し、自分でやるか業者に依頼するかを判断しましょう。
この記事では、以下の内容を詳しく解説しています。
この記事を読むことで、失敗なくコア抜き工事を行うにはどうすべきかがわかります。
また、業者に依頼する場合の費用相場なども解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
コア抜き工事とは建物の基礎となるコンクリートに穴を開ける工事
コア抜きとは、コンクリート製の壁や堀に筒状の穴を開ける作業のことです。
まず、コア抜き工事がどのような場面で必要になるのか、スリーブ工法とは何が違うのかについて解説します。
コア抜き工事が必要となるケース
コア抜き工事が必要となるのは、以下のようなケースです。
- エアコンを設置するための穴がない場合
- ブロック塀にフェンスを立てるための支柱を挿す穴を作る場合
- 排水管を増設する場合
このように、コンクリートに何かを通す・固定する場合に、コア抜きで穴を開けます。
スリーブ工法との違い
コア抜きと似た工事として「スリーブ工法」というものがあります。
コア抜きはすでに出来上がっているものに対して穴を開ける工事ですが、スリーブ工法は建築時にスリーブと呼ばれる貫通孔を開けておく工法のことを指します。
そのため、建築時にあらかじめ穴をあけておいてもらうのであればスリーブ工法ですが、完成後に新たに穴を開ける場合にはコア抜きが必要です。
コア抜きの方法は2種類ある
コア抜きの方法は、以下の2種類があります。
- 乾式穿孔
- 湿式穿孔
自分で行う場合も業者に依頼する場合も、どちらでおこなうかを判断する必要があるため、違いについて理解しておきましょう。
乾式穿孔
乾式穿孔は、ハンマードリルにコンクリート専用のキリを取り付け、穴を開ける方法です。水が使えない場所でも利用でき、階下に水漏れしてしまう心配もありません。
また、機械をセットする手間がないため、もうひとつの湿式穿孔に比べてやや手軽に行えます。
しかし、大量の粉塵が舞うため、粉塵マスク・眼鏡などの防備が必要で、養生をしなければならないというデメリットもあります。
また、打撃で穴を開けるため、貫通時にコンクリート面が崩れることもあります。
湿式穿孔
湿式穿孔は、先端にダイヤモンドビットをつけたコアドリルを使用する方法です。切り込みやすく、高精度な穴あけができます。
穴あけを行う際に水を使用するのが特徴で、粉塵が舞うのを防げるだけでなく、短時間で穿孔可能です。ただし、専用の機材が高価であり、取扱いにも技術が必要です。
また、後処理にも手間がかかります。
コア抜き工事の手順
ここから、具体的にコア抜き工事の手順について解説していきます。
手順は以下の通りです。
ではそれぞれの手順について、詳しく解説します。
事前調査
コア抜き工事を行う場合、事前に穴を開けても問題ない場所を確認しておくことが重要です。なぜなら、壁に穴を開ける場合は、壁の中に鉄筋や柱などがあり、それらを切断してしまう可能性があるからです。
もし、鉄筋や柱に穴を開けてしまった場合、土台の安定性が落ちて家の強度が下がる可能性があります。
場合によっては壁の補修工事を行う必要が出てきてしまうこともあるので、事前調査は重要です。
調査は、図面などでの確認の他に、レントゲン撮影やRCレーダー(鉄筋調査器)などを使用して行います。
レントゲン撮影は鉄筋以外のものも映し出すためもっとも確実ですが、基本的に2名で行う必要があり、施工機械も高価で施工費用も高くなりがちです。
対してRCレーダーの場合は、費用を抑えながら鉄筋の位置を把握することができます。
※ライフテックスではRCレーダーのみ対応しております。
騒音・粉塵対策
コア抜き工事はコンクリートを削るため、非常に大きな音がでます。これは、乾式でも湿式でも変わりません。
そのため、トラブルを避けるためにもあらかじめ周囲の住宅に連絡をしておきましょう。
また、乾式の場合は粉塵が舞うので、養生などの対策を行います。
アンカーの打ち込み
必要な場合はコア抜きの機械を固定するためのアンカーを打ち込みます。アンカーを打つ場所がない場合は、ハンディタイプのドリルを使用することもありますが、不慣れな人が扱うときれいに穴が開けられないケースもあるので、注意しましょう。
アンカーとは、部材や器具などを建物に取り付けるための鋲です。抜けにくい構造をしています。
コア抜き
ここまで準備が終わったら、機械を設置してコア抜き作業を行います。
コア抜きで出たコンクリートの破片や粉塵、コンクリートが混ざった水の処理をして完了です。
コア抜き工事を業者に依頼する場合の相場
コア抜きが必要な場面はいくつかあるため、どの場面でコア抜きを行うかによって費用は大きく異なります。
例えば、エアコンなら壁に一か所穴あけを行うだけですが、フェンスや手すりの設置などは複数箇所に穴を開ける必要があるからです。
費用例としてエアコン設置工事を挙げると、この工事の中でコア抜きを行う場合の相場は、12,000~25,000円ほどです。
事前調査・養生清掃・産廃処理費などは別途かかるケースが多いので、見積りで確認しましょう。
コア抜き工事のDIYがおすすめできない理由
「ただ穴を開けるだけなのに高い!自分でできないの?」と考えた人もいるでしょう。
もちろん、ただコンクリートに穴を開けるだけであれば、資格などがなくても機材さえあれば行うことができます。
しかし、以下のような理由でコア抜きのDIYはおすすめできません。
- 専門知識が必要
- 事前調査ができず家の強度を損なう可能性がある
- 工具が高額で節約にならない
- 後処理が大変
なぜおすすめできないかについて、詳しく解説します。
専門知識が必要
「エアコンの穴あけなら一か所だけだし、失敗も少ないのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、壁に穴を開ける場合はブロック塀などに施工するよりも慎重にならなくてはいけません。
大体の位置で穴あけを行えば、先ほども解説したように鉄筋や柱にまで穴を開けてしまう可能性があるからです。
鉄筋や柱に穴を開けたり傷つけてしまえば、当然家の耐震性能も落ちます。
そのため、穴あけの位置を確定する専門知識がない状態で穴を開けるのは危険だと言えるでしょう。
業者の中には事前調査を入念に行わないところもあります。そのようなところに依頼した場合は業者であっても失敗する可能性があることを理解しておきましょう。
以下の記事では穴あけに失敗した体験談を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
◆ 意外に多いエアコンの穴あけの失敗!体験談・業者の選び方・DIYについて解説
事前調査ができず家の強度を損なう可能性がある
事前調査の重要性は何度も解説した通りですが、事前調査には図面を読み取る専門知識・RCレーダーの使用など、プロでなければできないことばかりです。
失敗しないように調査を行うには、プロに調査を依頼する必要があるため、DIYで行うべきではありません。
工具が高額で節約にならない
コア抜きに使用するコンクリート用のコアドリルは3万円以上かかります。エアコン用の穴あけなら業者に依頼するよりも高額です。
ホームセンターの工具貸出しなどでコアドリルを借りられることもありますが、ハンディタイプであるため扱いなれていないと失敗する可能性が高くなります。
フェンス設置用にブロック塀に穴を開ける場合などは、鉄筋などを心配する必要がないのでレンタルで行うのも一つの手ですが、壁に穴を開けるのは必ず業者に依頼すべきでしょう。
後処理が大変
コア抜き時に出た粉塵やコンクリートが混ざった水、コンクリート片は、地域によってごみとして排出できない可能性があります。
場合によっては産廃業者に依頼しなければならないケースもあるため、後処理が非常に大変です。
どのように処分するかは自治体で異なるので、電話で問い合わせて確認しなければなりません。
業者に依頼した場合は、追加料金を支払えば後処理まで行ってくれるケースもあります。
コア抜き工事が必要なエアコン設置工事はライフテックスにおまかせ
ライフテックスでは、エアコン設置でコンクリート壁への穴あけも行っています。
コンクリート(RC)のコア抜きに必要な配慮
▲弊社使用 湿式ダイアモンドコアドリル
▲弊社使用 鉄筋探査機
建物の壁内部には、鉄筋・配管・配線などが埋められていることが多く、ライフテックスはコア抜きする箇所を慎重に選定しています。位置だけでなく、穴の大きさも耐震性能などに関わるので最低限に留めなくてはなりません。
また、ライフテックスは建物の美観を気にされるお客様のご要望にも十分な配慮をしています。
コア抜きの進め方は会社によって異なりますが、ライフテックスではコア抜き位置を住宅ビルダーなど、建物の構造をよく知る方との情報共有して頂き進めています。その後、お客様ご指定位置へコア抜きをしエアコンを設置します。なお鉄筋検査が必要な場合は別途オプションで承っておりますがレントゲン検査の必要時はお客様へお願いしております。
建物の構造は、丁寧に見れば個性的なものばかり。会社によってはマニュアル通りのコア抜きをする場合もありますが、ライフテックスはひとつひとつの建物で慎重に判断してコア抜きを進めています。
コンクリート(RC)のコア抜きは湿式がおすすめ
コンクリートのコア抜きは、実は短い時間で終わります。専用の機械を使って行うのでライフテックスでは10分から2時間くらいです。コア抜きの方法は湿式と乾式の2種類。お客様には粉塵が非常に難ありの乾式より、湿式をご提案するのが弊社の通例です。
湿式は、水を流しながら行うため、粉塵が舞い散りません。削り屑が泥のように流れ出るので、オプション料金にはなりますがそれを回収して適切に廃棄します。コンクリートで湿式工事は空気中に粉塵が舞わないことに加え、とても精度の高い穴を空けられる点も優れています。正しい位置・サイズ・角度で穴を空けられる湿式コア抜きは、お客様にとって安心だと考えています。
湿式に使うのはダイヤモンドコアドリル。実は、この機械が非常に高価。そのため湿式コア抜きの機材をもっている会社は限られており、料金やクオリティを分けるポイントの一つです。もちろん、水が使えない状況や不安を感じられる方の場合、乾式コア抜きも可能です。
※コア抜きだけでの工事訪問は行っておりませんのでエアコン工事とセットでご検討下さい。
まとめ
コア抜きとは、コンクリート製の壁や堀に筒状の穴を開ける作業のことです。コンクリートに何かを通す・固定する場合に、コア抜き工事で穴を開けます。
コア抜きの方法は、以下の2種類があります。
乾式穿孔 | ● 水が使えない場所でも利用可能 ● 大量の粉塵が舞う ● 打撃で穴を開けるため、貫通時にコンクリート面が崩れることもある |
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湿式穿孔 | ● 穴あけを行う際に水を使用 ● 粉塵が舞うのを防げる ● 短時間で穿孔できる ● 後処理に手間がかかる |
どちらで工事を行うかは、穴を開ける状況によって判断しましょう。
コア抜き工事の手順は以下の通りです。
- 事前調査
- 騒音・粉塵対策
- アンカーの打ち込み
- コア抜き
業者に依頼した場合の相場は、エアコンの穴あけであれば12,000~25,000円ほどです。
コア抜き工事はDIYもできますが、以下の理由でおすすめできません。
- 専門知識が必要
- 事前調査ができず家の強度を損なう可能性がある
- 工具が高額で節約にならない
- 後処理が大変
特に壁に対してコア抜き工事を行う場合は、事前調査をしっかりしてくれる業者を選んで依頼しましょう。
よくある質問
コア抜きとはどんな工事ですか?
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コア抜きとは、コンクリート製の壁や堀に筒状の穴を開ける工事のことです。 エアコン設置でコア抜き工事が必要となるのは、エアコンを設置したい場所に配管穴が無い場合です。 詳しくは「コア抜き工事とは建物の基礎となるコンクリートに穴をあける工事」をご覧ください。 |
エアコン用のコア抜きは自分でできますか?
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鉄筋や柱にまで穴を開けてしまう可能性があるため、専門知識がない状態で穴を開けるのは危険です。 事前調査をしっかりして、確実に工事を行ってくれる専門業者に依頼しましょう。 エアコン工事専門業者のライフテックスなら湿式と乾式の2種類の方法でコア抜き工事の対応が可能です。 詳しくは「ライフテックスのエアコン工事」ページをご覧ください。 |
コンクリートのコア抜き工事もおまかせ!