【節約術】エアコンのつけっぱなしが効果的な時間や季節とは?
「エアコンはつけっぱなしのほうが節約になるっていうけれど、本当なの?」と、お悩みの方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、エアコンのつけっぱなしは節約になりますが、家を空ける時間にもよります。
- エアコンをつけっぱなしにするのに抵抗があり、こまめにオンオフする
- 何時間も家を空けるのに、エアコンをつけっぱなしにする
上記のようなエアコンの使い方をした場合、電気代が必要以上にかかり、損をしてしまいます。
大切なのは「エアコンをオフにする時間の目安」や「夏と冬の違い」を理解することです。
そこで、本記事では夏の場合を中心に、エアコンをつけっぱなしにすると節約になる理由やオフにする場合の目安時間を詳しく解説します。
エアコンの電気代をより節約するために効果的な方法も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
夏にエアコンをつけっぱなしにすると節約になる?
エアコンのつけっぱなしが節約になるかはオンオフの時間によります。
たとえば、5分10分といった短時間のオンオフは、しないほうが電気代を抑えられます。エアコンは運転開始直後の消費電力が大きいからです。電源を入れるとエアコンは設定温度に合わせて部屋を暖めよう・冷やそうとします。そのため、たくさんの電力を使います。
しばらくつけて設定温度に近くなると、部屋の温度をコントロールする程度で、運転開始時ほど電力を使わなくなります。以上のような仕組みから、こまめなオンオフよりもつけっぱなしのほうが電気代を節約できるのです。
エアコンメーカーとして有名なダイキンがおこなった、「つけっぱなしは本当に節電効果があるのか」が分かる検証で確認してみましょう。
まずは、9時〜18時の日中帯でエアコンを使用した場合の、つけっぱなしとこまめなオンオフの違いを表したグラフを見てみましょう。
こまめなオンオフは、30分ごとにエアコンの電源を入れたり切ったりしている場合です。
引用:DAIKIN「mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証!」
18時時点の累積消費電力をみると、つけっぱなしのほうが消費電力を抑えられている結果となっています。
これは冷房使用時の検証結果なのですが、暖房の場合も同様の結果となっていました(mission5-2 冬のエアコンつけっぱなし検証!)。先ほども触れましたが、一度電源をオフにして再度オンにすると、オンにするたびに設定温度に合わせて部屋を冷やそう・暖めようとするので消費電力をたくさん必要とします。特に日中は外気温と室内設定温度の差が大きいため、エアコンのパワーが強くなり、結果的に「こまめに入り切り」した方が消費電力が多くなっていると考えられます。
続いて夜の時間帯での検証結果を見てみましょう。
引用:DAIKIN「mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証!」
18時~23時の時間帯は、日が落ちて外気温が下がったことにより、つけっぱなしよりもこまめなオンオフのほうが節電効果が高いという結果に。
以上のことから、外気温と室内設定温度の差が大きい場合は、こまめなオンオフよりもエアコンはつけっぱなしにしたほうが節電になることがわかりますね。
しかし、長時間外出する際につけっぱなしにするのは、余計に電気代がかかってしまいます。状況に合わせて電源のオンオフを心がけるようにするとよいでしょう。
【冷房・暖房別】エアコンをつけっぱなしにした際の電気代の目安
それでは、エアコンをつけっぱなしにした際の電気代がどのくらいになるかの目安を冷房・暖房別で見ていきましょう。エアコンにかかる電気代は「消費電力×電力量料金単価」で求められます。
消費電力とは家電製品を使うときに消費する電力のことです。エアコンの機種や設定温度など、さまざまな要素によって消費電力には変動があります。
計算に用いる電力量料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会が目安として定めている「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算をおこないます。なお、31円は1kWhあたりの料金なので、これを1Whに直すと「31円÷1,000=0.031円」となります。
ここでは一例として、冷房使用時の消費電力が500W、暖房使用時の消費電力が550Wのエアコンを1ヶ月(30日間)つけっぱなしにした場合の電気代を計算します。
夏に冷房を1ヶ月つけっぱなしにした場合
夏に消費電力が500Wの冷房を1ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代は、下記の通り計算できます。
- 500W×0.031円=15.5円(1時間あたりの電気代)
- 15.5円×24時間=372円(1日あたりの電気代)
- 372円×30日=11,160円(1ヶ月あたりの電気代)
冬に暖房を1ヶ月つけっぱなしにした場合
冬に消費電力が550Wの冷房を1ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代は、下記の通り計算できます。
- 550W×0.031円=17.05円(1時間あたりの電気代)
- 17.05円×24時間=409.2円(1日あたりの電気代)
- 409.2円×30日=12,276円(1ヶ月あたりの電気代)
ただし、設定温度などで消費電力は変わるので、上記はあくまで目安としてください。自宅のエアコンの消費電力を確認し、一度計算してみることをおすすめします。
【冷房・暖房別】エアコンを消す目安の時間
暖房と冷房では、エアコンを消す目安の時間が異なります。どちらも同じようにつけっぱなしにすると逆効果になる可能性があるので、それぞれの目安時間を覚えておきましょう。
暖房の目安
暖房の場合は運転開始時の消費電力が大きいため、1時間程度の外出であればつけっぱなしの方が良いケースが多いでしょう。
部屋が冷えやすく外気温が3℃以下の場合は、1〜2時間ほどの外出の場合でもつけっぱなしの方が節約になる可能性があります。
それ以上家を空ける場合は、エアコンを消しましょう。
冷房の目安
冷房の場合は暖房よりも運転開始時の消費電力が大きくありません。そのため、1時間以上外出するのであれば、消した方が電気代の節約になるケースが多いでしょう。
30分程度の外出の場合はつけっぱなしで問題ありませんが、温度が下がる夜などは30分でも消した方がいいケースもあります。
エアコンのつけっぱなしでより効果的に電気代を節約する方法
エアコンのつけっぱなしで電気代を節約するなら、さらに一工夫してより効果を上げましょう。主に以下の方法で、効果的に電気代を節約できます。
- 風量は「自動」に設定する
- 冷房・暖房によって風向きを調整する
- 一年を通してサーキュレーターを活用する
- 湿度をコントロールする
- 部屋の日当たりに合わせて温度を設定する/カーテンを使い分ける
- フィルターをこまめに掃除する
- 外気温を遮断する
では、これらが効果的な理由を解説していきます。
風量は「自動」に設定する
「風量を弱めたほうが、節約になるのでは?」と考えて風量を「弱」に設定している人もいるのではないでしょうか。 実はこれだけでは、電気代の節約にはなりません。
エアコンは「自動運転」がもっとも無駄に電力を使いません。なぜなら、自動運転の場合は設定温度付近まで一気に室温を近づけたら、そのあとは微弱運転や送風で室温を保ってくれるからです。
弱運転などでつけていると、ずっと暖かい空気や冷たい空気が出続けるため、電気代がかかってしまいます。 そのため、風量は変えず、常に「自動運転」にしておきましょう。
冷房・暖房によって風向きを調整する
基本的に、冷たい空気は下に、暖かい空気は上にとどまる性質があります。そのため、冷房を使用する際は風向きを上側にすると部屋全体が冷え、暖房を使用する際は風向きを下側に調整すると部屋全体が暖まります。風向きをうまく活用することで、必要以上に設定温度を上げたり下げたりすることがなくなるので、電気代の節約につながるでしょう。
一年を通してサーキュレーターを活用する
冷房・暖房によって風向きを調整することに加えて、サーキュレーターを使用して部屋の空気を循環させれば、室内を効率的に暖めたり冷やしたりできるため、電気代の節約にも繋がります。
扇風機を代用してもいいのですが、効果はサーキュレータほど期待できません。なぜなら、サーキュレーターと扇風機は用途が異なるからです。
サーキュレーターは空気の循環を目的としているため真上に向けられますが、扇風機は涼をとるものであるため、風量がさほど強くなく、首の可動域も限定的です。
サーキュレーターは数千円から購入できるので、持っていない場合は購入をおすすめします。
ただし、サーキュレーターを活用する際は、置く位置が非常に重要となります。ここからは、冷房・暖房使用時のサーキュレータの使用方法を解説します。
冷房をつけている際のサーキュレーターの位置
冷たい空気は下にたまる性質があります。そのため、冷房をつけている場合は冷気が足元に下りてしまうので、サーキュレーターで全体に循環させることが大切です。
位置としては、エアコンを背にするように置きます。そうすることで、部屋全体が涼しくなります。
暖房をつけている際のサーキュレーターの位置
暖房の場合は冷房と逆で、上に溜まりやすい暖かな空気を動かす必要があります。そのためには、サーキュレーターを対角線上の部屋の隅からエアコンに向けて回しましょう。
対角線上の設置が難しい場合は、部屋の中心あたりで真上を向けてサーキュレーターを回しましょう。
暖房は足元まで暖めようとすると、設定温度も高くなり、電気代が余計にかかります。 そのため、天井付近の空気に風をあてて、全体に暖かい空気がいきわたる様にすると、快適に過ごせるでしょう。
湿度をコントロールする
寒い時期である冬は、温度だけでなく湿度のコントロールも必要です。空気が乾燥しているとウイルスや細菌が蔓延しやすいので、最適な湿度の目安として40%~60%程度になるように設定しましょう。エアコンだけではなく加湿器や空気清浄機なども使ってうまく調整するのがおすすめです。
部屋の日当たりに合わせて温度を設定する/カーテンを使い分ける
日当たりのいい部屋とあまり日の入らない部屋では、室内の温度変化も異なります。そのため、エアコンの温度は一律に設定するのではなく、日当たりで部屋ごとに変えたほうがよいでしょう。
夏の設定温度 | 冬の設定温度 | |
---|---|---|
日当たりのいい部屋 | 低め | 低め |
日の入らない部屋 | 高め | 高め |
また、日当たりのいい部屋は季節に合わせてカーテンを変えるのもおすすめです。
夏はできる限り日光が入らないように遮光性の高いカーテンにし、冬は日光で部屋を暖めるために、レースカーテンを使用したり、遮光性が低いものに変えるといいでしょう。
フィルターをこまめに掃除する
フィルターは2週間に一度は掃除しましょう。
フィルターがほこりなどで目詰まりしていると、エアコンが効率的に運転できなくなります。すると、暖房・冷房が効きにくくなるだけでなく、電気代も上がってしまうのです。
フィルターを外してほこりを取り除き、水洗いしましょう。
外気温を遮断する
外気温を遮断することも、冬のエアコン節電対策には重要です。遮熱効果の高いフィルムやカーテンを室内に取り入れるとよいでしょう。室内の温度を下げすぎない工夫をすることによって、エアコンの稼働量を抑えられます。
また、二重ガラスを使うことも外気温を遮断することが可能です。エアコン以外の器具を適切に活用することが必要といえます。
エアコンをつけっぱなしにする際の2つの注意点
エアコンをつけっぱなしにする場合、以下のような点に注意する必要があります。
- エアコンの寿命が縮まる可能性がある
- 24時間つけっぱなしだとおそうじ機能が作動しない
では、これらを詳しく解説します。
エアコンの寿命が縮まる可能性がある
まず、1日の内にエアコンを作動させる時間が増えれば、当然エアコンの寿命自体も縮まる可能性があります。
充電100%のスマートフォンがあったとして、たまにメールやネット検索に使うだけなら長く充電を持たせられますが、何時間も使い続ければ早く充電が切れてしまいます。エアコンの寿命もこのスマートフォンの充電と同じです。
今までよりも1日に使用する時間が増えるので、寿命がその分縮まってしまうのは仕方のないことといえるでしょう。
ただし、5分10分オフにしていたものをつけっぱなしにするようにした程度では、何年も寿命が縮まってしまうという事態にはならないはずです。過度に使用時間が増えたのでなければ、気にしすぎる必要はないかと思います。
24時間つけっぱなしだとおそうじ機能が作動しない
おそうじ機能がついたエアコンの場合、運転している間はその機能が作動しません。そのため、常に在宅であったりペットのためにエアコンを24時間つけっぱなしたりしていると、おそうじ機能の意味がなくなってしまいます。
もしおそうじ機能がついたエアコンであれば、運転しない時間を作ったほうがよいでしょう。
この注意点は、「おそうじ機能」がついたエアコンを使用しており、なおかつ「24時間つけたまま」にしている一部の人のみが当てはまるものであるため、ほとんどの場合は気にする必要はありません。
古いエアコンなら買い替えで電気代の節約になる可能性がある
10年以上使用しているエアコンの場合は、つけっぱなしにするかどうかの前に、買い替えたほうが効果的に電気代を節約できる可能性が高いでしょう。
エアコンは年々省エネ性が高まっており、買い替えることで大きく電気代を低減できる可能性があります。
現在使用しているエアコンと新しいエアコンの消費電力量を確認し、どれだけ電気代に影響があるかを確認してみましょう。
また、10年を超えるとエアコンが壊れても交換部品が製造されておらず、修理できない可能性が高くなります。そのため、まだ壊れていなくても買い替えを検討したほうがよいでしょう。
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これから来る夏の季節に向けて、事前に試運転をおこない、不具合がないかを確認する必要があるでしょう。エアコンは梅雨時期から使うことを考えると、5月頃までには試運転や確認をおこなっておくことを推奨します。
もしも不具合があった場合は買い替えを検討する必要がありますが、買い替えが夏の真っ只中だと工事予約がいっぱいでお待たせしてしまう可能性があります。また、人気の機種は早いうちから完売してしまう可能性も高いです。
夏になってから「エアコンの調子が悪くて動かない!」と困らないように、早めに確認をおこない、買い替えが必要な場合はぜひライフテックスにご相談ください!
エアコンのつけっぱなしに関するよくある質問
エアコンはなぜつけっぱなしのほうが節約になるのですか?
エアコンは運転開始直後の消費電力が大きいからです。 |
エアコンを消したほうがいい目安の時間を教えてください。
エアコンを消したほうが節約になる目安の時間は、冷房と暖房で異なります。 冷房の目安
暖房の目安
詳しくは「【冷房・暖房別】エアコンを消す目安の時間」をご覧ください。 |
つけっぱなし以外でエアコンの電気代を節約する方法はありますか?
つけっぱなしの他にも、以下のような方法をおこなうことで、より効果的にエアコンの電気代を節約できます。
詳しくは「エアコンのつけっぱなしでより効果的に電気代を節約する方法」をご覧ください。 また、10年以上使用している古いエアコンの場合は、買い替えたほうが効果的に電気代を節約できる可能性があります。 |
エアコンをつけっぱなしにしていても壊れませんか?
エアコンをつけっぱなしにしていても壊れる可能性は低いです。ただし、24時間つけっぱなしのように長期間連続でつけっぱなしにしていると、その分寿命が短くなってしまう可能性は高まります。 また、つけっぱなしにしている時間が長いと、ほこりや汚れがつきやすくなります。これらもエアコンに負担をかけ、劣化を早める原因になるので、定期的にメンテナンスはおこなうようにしましょう。 |
まとめ
エアコンは、こまめにオンオフするよりも、ある程度つけっぱなしの方が電気代を節約できます。目安は以下の通りです。
- 1時間以上の外出なら消した方が電気代の節約になるケースが多い
- 30分程度の外出の場合はつけっぱなしで問題ない
- 温度が下がる時間は30分でも消した方がいいケースもある
- 1時間程度の外出であればつけっぱなしのほうがよい
- 部屋が冷えやすく外気温が3℃以下の場合は、1〜2時間ほどでもつけっぱなしのほうが節約になる可能性がある
このように、外気温や室温によって判断しましょう。
また、以下の方法を実践すると、よりエアコンの電気代が節約できます。
- 風量は「自動」に設定する
- 冷房・暖房によって風向きを調整する
- 一年を通してサーキュレーターを活用する
- 湿度をコントロールする
- 部屋の日当たりに合わせて温度を設定する/カーテンを使い分ける
- フィルターをこまめに掃除する
- 外気温を遮断する
ぜひ試してみてください。
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